大人は判ってくれない

今回紹介する作品はかなり古い作品ですが今見ても色あせることがない作品です。
フランソワ・トリュフォー監督の「大人は判ってくれない」です。今も昔も大人は何もわかってないのです。
自分たちにも少年時代があったのにすっかり忘れてしまったように理解しようとしないのです。覚えているのは都合のいいことばかり。

この作品はトリュフォー監督自身の体験をもとに描かれた自伝的な作品です。
主人公は12歳のアントワーヌです。彼には毎日が苦痛の連続。嫌な事ばかりです。学校の勉強は面白くないので成績は悪い(仕方無ないよな)だから先生に立たされるのです。いたずらをしても当然起こられるのです。
ほんまに面白くない毎日です。宿題もしないといけない。誰が宿題なんかしたいねんって感じ。

家に帰れば掃除をしないといけないし、オカンは口うるさいからめんどくさい。オトンはオカンが怖いから顔色ばかりうかがう始末。稼ぎもわっるいからいつもケンカばかりです。
アントワーヌも無理に家事を手伝わされ宿題も手につかないと,寝る場所も裏口という寒いところです。一人孤独な姿は悲しいなぁ・・・
学校も家も面白くないアントワーヌの楽しみは映画をみるのもいいだけです。まあそれでも次第にたばこや酒に手を出すように。どんどん負のスパイラルに落ちていく様は寂しいです。

そんな時、友達と街を歩いているとオカンの浮気現場を目撃するのです。いつも偉そうにしてるくせに自分は何してるねんオカンのボケって感じです。でもオトンには言えないからモヤモヤ。
ああもう家にいたくないと思って勢いで家出するのです。それでもお金が無いから盗みに手を染めるのです。結局はタイプライターを盗んだのが見つかって少年鑑別所にまで入れられます。
アントワーヌはどうなってしまうのか?まああとは観て確かめてもらえると嬉しいです。

多かれ少なかれ誰もが通る少年時代の学校や両親に対する不満です。自分が不当に扱われている感覚を受けると思います。
大人になるために通る道かもしれないけど不公平を感じるのは確かです。でもこれが大人になるための第一歩なのかな。

これを観てトリュフォー監督の世界観を味わってくださいね。少年が欲しいのは自由と自立かなって思ったな。

DVDやAmazonプライムなどでチェックしてみてください。

出演: ジャン・ピエール・レオー, クレール・モーリエ, アルベール・レミー, ジャンヌ・モロー
監督: フランソワ・トリュフォー