ブルーに生まれついて

今回は音楽を題材にした作品を紹介したいと思います。「ブルーに生まれついて」です。ジャズの伝説的なトランペット奏者のチェット・ベイカーの物語です。

 

チェットを演じるのはイーサン・ホークです。かなりのはまり役だと思います。ドラッグにおぼれ破滅的な生活を送る彼をとその彼を支える一人の女性の物語。復活までの長くて苦しい道のりを描いています。

チェットが活躍したのは1950年代です。ジャズと言えば黒人の音楽と思われていた時代に白人でありながらも卓越した技術で人気を博していました。

マイルス・デイヴィスやディジー・ガレスビーなどのジャズ好きにはたまらない面々がいるこの時代にチェットはどのような生涯を送ったのか・・・

 

まず、この映画を観て思う事はなぜ彼らはもれなくドラッグに手を出すのか。この作品には出てませんがセロニアス・モンクのようにドラッグをやらないジャズマンもまれにいますが、しかしながらこの時代ジャズとドラッグは切り離せないものなのかとこの映画を観て痛感します。いい音を出したい、いい演奏をしたい、もっともっと音楽と一体になりたいとドラッグに手を出すのかと自分なりに思いましたね。

チェットの話に戻ると彼も溢れる才能がありながらもドラッグ絡みで度々トラブルを起こしたりしてました。投獄も当たり前です。そんな時、人気のあった彼の自伝映画の製作中に麻薬の売人に暴行を受けて瀕死の重傷を負って病院ん送りりされてしまうのです。

当然、映画の製作もなくなりますが、それよりも顎を砕かれ前歯もなくなり演奏の危機に陥ります。まあもうほとんど演奏なんか出来ないです。

 

誰も見舞いにも来ないどん底の彼を支えてくれる女性が居ました。映画で共演した女優ジェーンです。彼女はチェットを献身的に支えていきます。売れない女優の彼女もオーディションなどを受けて夢をあきらめずに頑張っているのでした。

ジェーンと暮らすうちにドラッグもやめもうもう一度トランペットを吹けるようにと必死に再起に向けて歩んでいくのです。
徐々に演奏出来るようになり、そして以前のような演奏ではない新たな素晴らしいほどの音を奏でることが出来るまでになってレコーディングも出来るのでした。
ドラッグなんか無くても出来るやんって思う最高にいい場面です。まあでも大体このままでは終わらんのよね。

 

ここで終われば最高やったんですがね。レコーディングに来ていたディジー・ガレスビーに久々に会った彼は以前 演奏をぼろくそに言われたマイルス・デイヴィスの前で演奏させて欲しいと頼むのです。

やめとけばええのになぁって思うねんけど、やっぱり行きよるんです。それもジェーンはその時に限ってついていくことが出来ないのです。

まあ、ラストは観て確かめてください。人間やればできるって感じることもいっぱいありますので、是非ともみて欲しい作品です。

ジャズが分からなくても全然大丈夫です。音楽恋愛映画かな。ジャズ好きにはオススメですよ。

DVDやAmazonプライムなどでチェックしてみてください。

 

出演: イーサン・ホーク, カルメン・イジョゴ, カラム・キース・レニー
監督: ロバート・パドロー