ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気

今回は「ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気 」を紹介したいと思います。実話を基にした秀作のヒューマンドラマです。エレン・ペイジとジュリアン・ムーア、二人の俳優の演技存分に楽しめる作品です。

ニュージャージー州オーシャン群で勤続20年以上のベテラン刑事ローレル(ジュリアン・ムーア)はある日バスケットボールの試合で郊外の町へ。そこで対戦相手のチームにいたステイシーと出合います。お互いにレズビアンと言うことで気持ちはすぐに通じ合い、付き合うようになっていきます。

親子程違う年齢差や取り巻く環境は決して楽ではありませんでした。それでも二人は郊外に家を購入して一緒に暮らし始めます。家を自分たちでリフォームしたり、ステイシーも少しは家のローンを払いたいと自動車整備の仕事を見つけてきます。

 

幸せに暮らしていた二人でしたがある日ローレルが病に侵されていることが分かります。そして余命は半年でした。ローレルは自分がいなくなった後にステイシーが二人で生活している家で暮らしていけるように、そして自分の遺族年金をステイシーが受け取れるように望んでいました。

しかしながら同性のパートナーには法的に認められていなかったのです。何とかステイシーに自分が居なくなった後でも困らないように残してあげたいという一心でローレルは権利と制度改正を求めて自分に残された時間を掛けて戦うのでした。

 

ニュージャージー州には結婚していないが共に家庭生活を送る二人をパートナーと認定するパートナー法あります。委員の一人がパートナー法では同性のパートナーに年金を残すことを認めていると意見しますがも別の委員が警察組合との契約では同居人を受取人にすることができない。またパートナー法は結婚の神聖を冒すやこれを認めれば保守的なわが郡では政治的に自殺行為だと言うのでした。これは同性愛者に対する理解が全く欠如しているのです。しかもこれはそんなに昔の物語ではないのです。

2000年代に話だと思いますがそれでもこの理解の無さは何と情けない事かと思います。

ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気(字幕版)
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ローレルの同僚のデーン刑事に同性愛者支援団体のスティーヴン・ゴールドスタインから連絡が。ローレルたちにゴールドスタインは支援したい。しかし政治的目的の同性婚の合憲をめざす政治利用を嫌うステイシー。それでもステイシーに年金を残したい一心のローレルには政治的利用でも構わないと決心します。

しかし何度かの公開郡政委員会でもローレルたちは情緒的な弁論しか展開することが出来ません。23年間警察で正義を全うし犯罪を防ぎ犯人を逮捕したことや、地域に貢献した彼女に報いるときだと主張しますが、郡政委員はかたくなに法は曲げなれないと一旦決定したことは取り消さないのでした。

それでも少しづつ風向きが変わり始めていくのでした。権力との戦い、LGBT、純愛、色々な要素が詰まった素晴らしい作品です。ローレルとステイシーはただ自分たちにも権利を認めて欲しいそれだけなのですが。

 

ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気を観てこういう事が実際にあるという事を知るだけでも見る価値のある映画ではないでしょうか。

あと、やっぱりジュリアン・ムーアの演技は素晴らしいと改めて感じる作品です。
少しでも興味が出てもらえたら嬉しいです。DVDやAmazonプライムなどでチェックしてみてください。

監督 ピーター・ソレット
主演 ジュリアン・ムーア, エレン・ペイジ, マイケル・シャノン