ザ・ハリケーン

今回はボクシング映画を紹介したいと思います。実在のボクサー。ルービン・”ハリケーン”・カーターが無実の罪で投獄されて釈放されるまでの30年間の物語です。

 

主人公のハリケーン・カーターを演じるには実力派俳優デンゼル・ワシントンです。さすがにこういう役を演じさせたら彼の右に出る人間はいないかもですね。

今はカナダ人の養子として暮らしていたアメリカ人の黒人少年レズラはある日一冊の本と出合います。第16ラウンドと言うタイトルの本でした。
それはルービン・カーターが自分の半生を描いた伝記物でした。レズラはその内容にとても関心を持ってルービンに手紙を書くのでした。

人気と実力の絶頂で世界チャンピオンに近づいていたヘビー級ボクサー、ルービンは無実の罪で投獄されていました。3人の人間を殺したと言う罪でしたが裁判では凶器のなどの確かな物証もありませんでしたが曖昧な目撃情報と白人陪審員の黒人差別の中で彼は終身刑を言い渡されてしまいます。

 

初めはボブ・デュランやモハメド・アリなどの有名人が彼の無実を訴えてメディアなどに取り上げられていましたが次第に人々から忘れ去られたしまうのでした。
何度も再審請求をするもそのたびに退けられえる中でルービン自身ももう何をしても無駄だと諦めていました。

そこにレズラからの手紙が着ます。レズラとの手紙のやり取りを続ける中で一度会ってみようと思うようになりました。

 

カーターに会ったレズラは本を読んで感動したこと、そしてルービンの無実を信じていると言う事を伝え自分がルービンの無実を証明すると言うのでした。

ルービンはこれまで幾度となく再審を訴えてその度に裏切られていたので乗り気ではありませんでしたがレズラや彼の保護者のカナダ人の仲間や弁護士たちともう一度、裁判に向かって行くのでした。

証拠や目撃証言などを調べていく中で嘘や矛盾、そして初めからルービンを犯人であると決めつけていたことなどが次々とわかっていくのでした。
そして最後の裁判に挑んだ彼らは見事戦いに勝利するのでした。やっと正義果たされる瞬間が訪れたのです。投獄されてから30年と言うあまりにも長い道のりの物語。

 

この作品を観て一番感じることはやはりあまりにも酷い人種差別です。こんなにも簡単に冤罪を作れてしまう恐怖があります。

あとは世間の冷たさを感じますね。話題があるうちは彼を応援していた人々も結局は誰一人いなくなっていくということの虚しさです。

そんな中でレズラとルービンの友情の物語は感動します。諦めかけるルービンをレズラが励ましたり刑務所の近くにみんなで引っ越してきたりとルービンを支えていく姿は素晴らしいですね。

 

デンゼル・ワシントンの肉体美も見どころがあると思いますしボクシングのシーンもかなり素晴らしい秀作だと思いますので、少しでも興味が出てもらえたら嬉しいです。

 

DVDやAmazonプライムなどでチェックしてみてください。

キャスト:

デンゼル・ワシントン

ヴィセラス・レオン・シャノン

デボラ・カーラ・アンガー

リーヴ・シュレイバー

ジョン・ハナー

デビ・モーガン

クランシー・ブラウン

監督:
ノーマン・ジュイソン