英国王のスピーチ

現在のイギリスの女王陛下エリザベス女王の父親ジョージ6世の物語です。
あまり期待せずに観に行ったのですが、かなりいい作品でした。

ジョージ6世は幼い頃から吃音で悩んでいました。そんな彼を父親で厳格なジョージ5世はそんな息子を許さずに事あるごとにスピーチをさせるのです。

そんな時にジョージ5世が亡くなります。ジョージ6世には兄がおり兄が王位を継ぐものだと誰もが思っていましたが、兄は王位を継がずに外国人女性と結婚するために王室を出っていきます。

何の準備もなくいきなり王位を継ぐことになったジョージ6世ですが吃音が気になる彼はそれを治療するべく秘密に医師を訪ねるのでした。そこで出会ったローグというセラピストとジョージの妻との3人で吃音を克服していくのでした。

スピーチという題材で全編を通していくのですがそこには様々な人間関係が細かく描かれていてその丁寧な演出と描写は素晴らしい!

時は第二次世界大戦中のイギリスです。国王のスピーチはとても大事な物だったに違いないと思います。吃音のある彼には想像もできない苦痛だったでしょうな。

はじめはなかなか反りの合わないジョージ6世とローグですが次第に友情が芽生えて素晴らしい信頼関係を築いていくところは観ていてもいいものです。

三人の役者、コリン・ファースの熱演は見事でしたが、妻を演じたヘレナ・ボトム・カーターの人を優しく包み込むような安心感を与える演技、そして吃音矯正の専門家ローグを演じたジェフリー・ラッシュの終始落ち着いた演技もこの作品を上質なものにしています。
戦時下の王のスピーチの大切さがこの作品を通してわかると思います。

ジョージ6世が吃音になった幼少期の悲しい出来事やローグの本当の正体なども観ていてかなり面白いですので是非とも観てほしい作品です。

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監督:トム・フーバー
主演:コリン・ファース, ジェフリー・ラッシュ, ヘレナ・ボトム・カーター