ムーンライトってなんなんやろ?

この映画は昨年のアカデミー賞作品ですがそれを差し引いてもかなりいい感じの映画だと思います。
三人の俳優が一人の黒人男性の少年期から青年期までを演じているなかなかないさくひんです。

あと、この作品に出てくる俳優はほぼすべて黒人です。これもこの映画のメッセージの一つかもしれません。

主人公のシャロンは危険な黒人コミュニティで母親と二人暮らしです。しかし母親はドラッグ中毒です。そしてシャロン自身は性的な悩みを抱えていました。

黒人社会では性的マイノリティーに対する偏見はきつくシャロンはいつもいじめられていました。シャロンには唯一の親友ケヴィンがいましたが・・・

そんな時に出会ったのがフアンという一人の男性でした。それ以来フアンに連れられて彼の家に行くようになりました。自そこにはフアンの恋人テレサもいました。自分の家に帰っても何の温もりも感じた事のない少年が初めて温もりを感じられる場所でした。

フアンはシャロンにとって父親の様な存在になっていきました。海で泳ぎを教えてくれたり、人生に大事な事を色々と教えてくれる大事な人でした。
しかし生活の面では何も変わらない環境に置かれています。いじめは相変わらずでした。

高校生になったシャロンは相変わらずいじめられていました。父親代わりのフアンもすでに亡くなっていました。彼が相談できるのはフアンの恋人テレサだけです。テレサは変わらずやさしく見守ってくれていました。

シャロンはケヴィンに対する愛情を隠しながら高校生活を送っていました。相変わらず母親はドラッグにまみれて閉塞感のある生活からは抜け出すことはできそうにありませんでした。そんな時にケヴィンと心を通じ合わせることが出来たのでした。

観ていてこの辺りからいい方向に向かうのかなって感じでしたがそうじゃなかったですね。
やっとケヴィンと心を通じ合わせることが出来たシャロンでしたがここで彼はずっと以前から彼をいじめていたクラスメイトに瀕死の重傷を負わせてしまい少年院に入れられてしまいます。

そして大人になったシャロンは麻薬の売人になっていました。え~~~、なんで!っていうのもあるけどやっぱりなって思いもありました。生き方を変えたりする難しさかな。

売人になりそれなりに裕福になったシャロンですが孤独なのは変わっていませんでした。そんな時にケヴィンから電話があり久しぶりに再会するのでした。

ケヴィンも色々とありましたが今は真面目に暮らしていました。売人になったというシャロンに彼は動揺します。それでも二人はお互いの気持ちを忘れてはいなかったのでした。

この映画のメッセージは非常にシンプルです。それは愛です。愛の感じ方は難しいです。誰がどう与えてくれるのか、だれに与えるのか。

フアンのような人がもっといればいいのにと思う反面、ファンは実はシャロンの母親にドラッグを売っている売人だったりしますが・・・
それでもやはりああいう救いは大事だと思いますね。もっといっぱいいればなぁ。

貧困の問題やゲイに対する差別、そしてドラッグと言う問題を1つに詰め込んだ作品ですが観終わった後には何かじんわりとした感情が湧いてくる作品です。

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監督:バリー・ジェンキンス
主演:アレックス・ヒバート, アンドレ・ホランド,
アシュトン・サンダース, トレヴァンテ・ローズ