「みんなのアムステルダム国立美術館へ」の感想を

オランダのアムステルダム国立美術館の改修工事を追ったドキュメンタリー映画です。
04年から始まって08年にはオープン予定でしたが住民などの反対運動などによって10年近くかかってやっとグランドオープンするまでの長い道のりの映画です。

 

最初に断っておきますが美しい収蔵品などがたくさん紹介されるのを期待しているとあっさり裏切られます。

一番大事なのは美術品なのにそのことはそっちのけ。この美術館は変わった構造で美術館の敷地内を自転車道が横切っているのですが全くどうでもいいようなその自転車道をどうするかを議論するところは実にバカバカしいですがそれがすごく滑稽です。

この議論は作品の初めから終わりまでずっと出てきます。まあ最期まで延々と議論するのです。そして妥協の産物が出来上がります。観ていてそんなに揉める事でもないやろ、他の大事な事に時間を掛けてくれよと思いますね。

 

色々ドロドロとした人間関係や議論が描かれていますがそれでもしっかりと美術品への深い思いはしっかり描かれています。

展示の仕方や壁の色のちょっとした違いや並べ方光の当て方などで作品がどう見えるかより一層よく見えるようにする学芸員の熱意などは観ていてすごく勉強になりました。
金剛力士像をどう見せるかっていうところはいいですよ。仏像オタクみたいでおもしろいです。日本文化への愛を感じました。

あと観終わった後に思うことは民主主義っていうか議論も大事ですけど誰かが責任もって決めるのも大事なんちゃうかなって感じ。改修工事に携わったみなさんご苦労様でした!

ほんまに自転車道とか歩行者道路はどうでもいい話やわ(笑)

DVDやBlu-ray、Amazonプライムなどで一度チェックしてみてください。結構面白いですよ。

監督:
ウケ・ホーヘンダイク